しずくのてがみ
ある朝、小さなしずくが葉っぱの上で目を覚ましました。
「おはよう。」
風がやさしく声をかけました。
しずくは空を見上げました。
青い空。
白い雲。
きらきら光る太陽。
けれど、しずくは少し元気がありません。
「どうしたの?」
風が聞きました。
「私は小さすぎるんです。」
しずくは言いました。
「空のように広くもないし、太陽みたいに明るくもない。」
風は少し考えてから言いました。
「それなら旅に出てみたら?」
しずくは風に乗って旅を始めました。
花の上に落ちると、花は嬉しそうに咲きました。
小鳥が飲むと、小鳥は元気に飛び立ちました。
土にしみ込むと、小さな芽が顔を出しました。
しずくは初めて知りました。
自分は小さいけれど、
誰かの力になれることを。
夕方になると、
しずくは空へ帰っていきました。
その時、風が言いました。
「大きいことより大切なのは、
誰かを潤せることかもしれないね。」
しずくは少し誇らしそうに輝きました。
そして今日も、
どこかで誰かを潤しているのです。
コメント