風の郵便屋さん
ある村に、
風の郵便屋さんがいました。
でもその郵便屋さんは、
手紙を運ぶわけではありません。
運ぶのは、
人の想いでした。
「ありがとう。」
「ごめんね。」
「元気でいてね。」
そんな言葉を風に乗せて届けるのです。
ある日、
ひとりの男の子が丘の上でつぶやきました。
「おばあちゃんに会いたいな。」
おばあちゃんは遠い町に住んでいました。
男の子は手紙を書くのが苦手でした。
そこで風の郵便屋さんが、
その想いをそっと受け取りました。
数日後。
遠い町のおばあちゃんは、
ふと空を見上げました。
そして不思議と、
孫の顔が浮かびました。
「元気にしているかしら。」
そう思って電話をかけると、
男の子も同じことを考えていたのです。
言葉にしなくても、
想いは届くことがあります。
風の郵便屋さんは今日も、
誰かの優しい気持ちを運んでいます。
目には見えなくても、
人と人はつながっているのです。
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